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[サステナブル紀行]ユースが見たハイレベル政治フォーラム2018
2018/07/26

7月9日から18日にかけ、NY国連本部にてハイレベル政治フォーラム(HLPF)が開催されました。この会合に、UNMGCY(国連子どもと若者メジャーグループ)として参加したJYPS(Japan Youth Platform for Sustainability)の清水唯羽さんにお話を伺いました。

UNMGCYは、SDGsに関する政策提言を積極的に行なっていますね。世界各地から集まったユースが、どのように提言をまとめ、アクションを行なっているのでしょうか。


日本政府主催のレセプションにはピカチュウが登場

今回Japan Youth Platform for Sustainabilityは「若者」という立ち位置でHLPFに参加していますが、それは国連の中に「国連子どもと若者メジャーグループ(United Nations Major Group for Children & Youth:UNMGCY)」が存在する事と密接に関係しています。そもそもメジャーグループというシステムは、1992年の地球サミットで「持続可能な開発というものを達成するためには、国連内の人間だけでなく全ての活動分野の中で、様々なバックグラウンドを持つ全ての人々の参画が不可欠である。」という理念のもとに提唱されました。その後、2012年のリオ+20という国連会議の成果文書である”The Future We Want(私たちが望む未来)”の中で、再度メジャーグループの重要性が強調されるようになり、改めて持続可能な開発を行おうとしている国連のプロセスにおいて、重要なファクターであると認識されるようになりました。

HLPFを規定する国連文書A/RES/67/290では、国連メジャーグループは①全ての公式の会議に参加すること、②全ての公的な情報や文書へのアクセス、➂本会議におけるインターベンション(発言)、④文書提出または口頭での提言、⑤助言(勧告)、⑥国連加盟国や国連事務局とのサイドイベントや円卓会議の主催、が保障されているため、JYPSもHLPFにおいてそれをもとに行動していました。➂インターベンション(本会議での発言)では、国連加盟国のように公式セッションにおいてそれぞれのメジャーグループの席が用意されるため、各ステークホルダーの意向を2-3分程度で話す機会となります。HLPF期間中は毎日朝と夜にMGCYのミーティングがあり、インターベンションの戦略を練り、皆で交渉しながら内容を決めました。そして、⑥の国連機関や政府、NGOなどを巻き込んだサイドイベントの開催は、若者の立ち位置を示す場所となり、政府への政策提言の機会にもなります。今年は日本政府によるSDGsのレビューはありませんでしたが、各分野の政策提言として、ユースも活躍することができました。

今回のHLPFでは、SDGsの目標6(水・衛生)、7(エネルギー)、11(都市・居住)、12(消費と生産)、15(陸の生物多様性)のレビューが行われました。ユースのメジャーグループとしては、特にどのような課題への関心が高かったのでしょうか?そして、今回のHLPFをどう評価していますか。


JYPSが登壇したSDG6のサイドイベントにて

子ども・若者のメジャーグループは各分野の団体が沢山参加していたため、どの課題も一定の範囲で網羅出来ていたかと思います。UNMGCYではそれぞれのセッションのために政策提言のドラフトを作成し、発言の準備をします。JYPS派遣団の中でも各分野に精通しているメンバーがそれぞれMGCYメンバーと協力しながら、レビュー対象となっているゴールの政策提言のドラフト作成のプロセスに携わりました。特に、JYPSがグローバルコーディネーターを務めている開発資金の内容が組み込まれたSDGsのゴール別レビューではJYPSのメンバー(遠藤)が発表者として発言する予定でしたが、時間の制限と他のメジャーグループ内のバランスにより、セッション中に発言することは出来ませんでした。しかしながら、その他ほとんどのオフィシャルセッション、または多くのサイドイベントでMGCYは発言する時間を貰えた印象があります。また、セッション中に発言出来なかったと言って作成した政策提言の文章が無駄になることはありません。作成した文章は国連に提出され、HLPFの公式文書として保存されます。

また各分野のレビューに加え、実は『持続可能でレジリエントな社会』という名前のセッションがHLPFの1週目に毎日開催されました。JYPSにも、都市計画・まちづくり分野における国連メジャーグループのアジア地域統括がいたため、毎日レジリエントな社会とは何かについて議論を行うことが出来ました。

今回のHLPFの評価としては、各メジャーグループの参画は多く見られたものの、HLPF本会議は深くSDGsを議論する場というよりは各国がステイトメントを読み上げる場所という印象を持ちました。また、HLPFの要である自発的国家レビュー(NVR)も、各国は自国の良い点を挙げるにとどめ、現状の問題点や今後の課題などをシェアするまでには至っていません。これらはこの先HLPFが意味のある会合となるために改善が必要な部分だと言えるでしょう。

HLPFをより効果的な機会にするために、どのようなパートナーシップが考えられそうでしょうか。また、「誰も置き去りにしない」世界のために、今後、どのようなことを大切にして活動していきたいですか。


UN MGCYの本会議での発言の様子

政策提言を行うときに、各個人や各分野の方々が別々の持論を展開し、ばらばらに国連の政策に関わろうとする場合、まとまらない意見に対し国連事務局側も混乱し、効果が薄くなってしまいます。従って、国連では各メジャーグループが透明性と公平性をもって、恣意的に意見が集められるようなことがないよう、民主的に意見を取りまとめることを推進しています。そのため、個人で提言を作成することはなく、プロセスに関わるユースたち複数人が発言の直前までドラフトに対する意見を出し合い、修正、訂正を行います。私が関わったSDGsのドラフト作成では、多い時には約15人が同時にgoogle docにアクセスし、内容の確認や訂正を行っていました。

JYPSとしても、今後はSDGsの各ゴールのユース団体をさらに増やし、政策提言のカバーできる分野を広げていきたいです。またSDGsの特性を生かし、一つのテーマを議論する時にも各分野やステイクホルダーが関われるよう、多角的な視点を持つことを大事にしたいです。そして、現地での草の根の活動に強いユース団体が政策提言をしたいと考えた時に、その助けになるような存在にJYPSはなりたいと願っております。

清水唯羽 (しみず ゆう)
今年の5月にニューヨーク州立大学ニューパルツ校を国際ビジネス専攻、国際関係学副専攻で卒業。専門はビジネス×SDGs。Japan Youth Platform for Sustainabilityにおいて政策局オフィサーとして活動しており、主にニューヨークでの政策や開発資金のプロセスに携わる。

JYPSブログ
https://japanyouthplatform.wixsite.com/jyps