サステナビリティCSOフォーラム

HOME > コラム寄稿 > [サステナビリティ紀行] 女性のまなざしから学ぶ 災害を超え、地域の自然と生きる知恵 WE

[サステナビリティ紀行] 女性のまなざしから学ぶ 災害を超え、地域の自然と生きる知恵 WE
2018/09/29

今年2018年は、多くの自然災害が発生しました。災害からの復興に向けた活動も多く生まれさまざまな形で発展しています。今回は東日本大震災をきっかけに誕生し、南三陸を中心に地域・国際社会の両方を視座に捉えて活動している特定非営利活動法人ウィメンズアイ(通称WE=ウィ)の栗林さんにお話を伺いました。

ウィメンズアイは、東日本大震災後、三陸沿岸部に災害ボランティアとして集まった有志メンバーが立ち上げ、「女性が自らをいかし元気に活躍できる」をビジョンに掲げて活動を続けていらっしゃいます。何故「女性」に着目することが大切だと考えたのでしょうか。


刺し子サークル「リアンの会」に集まる女性たち

災害時、幼い子ども、妊婦、障害者、介護が必要な人など避難時に支援を必要とする人たちは「災害弱者」と呼ばれています。この場合、女性も保護の対象とされることがあるのですが、これらの弱者をケアする力を持っていることも女性の特徴です。実際に東日本大震災後の避難所でも女性たちのケアする姿や弱者に対する配慮の声などを見聞きしました。そんな女性たちをサポートする活動が必要ではないか、という当時参加していたボランティア団体の代表の声から始まった活動です。私たちは、日常生活に根差した女性のまなざしをいかした、しなやかな社会を創っていくことが大事だと考えています。

震災後、地域の状況の変化とともに活動内容も変化していると思います。子育てコミュニティづくりや、地域課題を考える学びの場づくりの他、女性のリーダーシップ育成やビジネス講座、交流活動や災害に備える活動など、活動は多岐に渡っているようですが、現在もっとも注力しているのはどのような活動でしょうか?どのような課題や可能性を感じていますか。


「南三陸まなびの女子会」中越視察報告会の様子

現在、女性のエンパワメント事業に注力しています。復興する地域において、人々がここで続く暮らしを創造していくために、若い世代が暮らしやすい地域であることが大事だと感じています。しかしながら、震災以降住まいや生活など変化が大きい被災地で暮らすストレスだけでなく、若い女性たちは仕事と子育てや家庭の両立で自分の時間もとれずストレス過多になりがちです。そんな女性たちが自分らしくいられる力をつけていくために、心身の健やかさとストレスのない人とのつながり、コミュニケーション力をつける講座などを実施しています。女性たちがいきいきと活躍できる地域であることが、家庭や地域の元気につながっていくと考えています。

政府や自治体、企業などがSDGsを推進し、持続可能な社会づくりへの関心が少しずつ高まっているようにも感じます。持続可能な社会に向けて、今、どのような「つながり」や「パートナーシップ」が大切だと感じていますか。

地域が持続可能であるために、いま、私たちは自分たちの在り方を見直す時期にあるように思います。セクターの枠を越え、既存の概念に捕らわれず、その課題意識を共有し、難しい挑戦に一緒に取り組む仲間、お互いにいかし合うつながりが大切だと思います。

栗林美知子(くりばやしみちこ) 特定非営利活動法人ウィメンズアイ 事務局長
和歌山県出身、一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了、青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム12期修了。東日本大震災での災害ボランティアを機にWEの立ち上げに参加。それまでの国際協力の仕事を辞め、WEの事務局長として宮城に移住。復興過程の南三陸町で、地域の女性たちとともに、人をつなぎコミュニティを育てる活動を続けている。