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[サスティナビリティ紀行]貧困の連鎖を断ち切る仕組みを
2016/11/30

SDGsの中でも重要課題として認識されているのが、貧困(目標1)や格差(目標10)の問題です。子どもの貧困問題は、教育(目標4)環境にも影響を及ぼします。
今回は、「学校外教育バウチャー」という仕組みをつかって、子どもの貧困問題にとりくむ、公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(CFC)の今井悠介さんにお話を伺いました。

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photo by Natsuki Yasuda/studio AFTERMODE

チャンス・フォー・チルドレン(CFC)は阪神・淡路大震災で被災した子どもたちに教育支援を行なってきたNPO法人ブレーンフォーヒューマニティーのひとつのプロジェクトとして2009年に発足し、2011年に独立しました。そもそも「教育」に着目した理由はどこにあるのでしょう。

ユニセフの2012年の報告書によると、約7人に1人の子どもが貧困状態にあると言われています。厚生労働省が2014年にまとめた報告書によると、17歳以下の子供の相対的貧困率は16.3%でした。「子どもの貧困」は、日本でもとても大きな社会問題です。

東日本大震災では、1698人の震災孤児・遺児が生まれたと言われています(H23.12厚労省)。こういった家庭では、経済的貧困に陥るケースも少なくありません。貧困は、子どもたちからさまざまな学習の機会を奪うことにもつながります。その結果、低学力・低学歴になり、所得の低い職業につかざるを得なくなるという「貧困の連鎖」が生まれています。

文部科学省の調査によると、経済格差による教育格差は、学校外教育で生まれやすくなると言われています。そこで私たちは、経済的理由によって学校外教育を十分に受けることができない子どもたちに学校外教育バウチャーを提供することによって、子どもたちが選択肢を広げるための機械を保障しようと活動しています。

CFCの特徴である「学校外教育バウチャー(CFCクーポン)」とは、どのようなものですか?具体的にはどのように活用されているのでしょうか。

CFCクーポンは、塾や習い事、体験活動などで使えることが特徴です。現金支給ではなくクーポンにすることで、使用用途を教育サービスに限定し、確実に教育目的に活用してもらえます。クーポンは個人や企業からの寄付を原資に発行され、CFCと提携した多くの教育機関で活用いただけます。

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クーポンは、応募枠を設けて、面接をすることで、学習意欲の高い子どもたちに支給しています。クーポンのしくみとつながることは、自分たちの学びを支えるいろいろな人たちがいることに触れ、精神的な支えにもなっているようです。

また、クーポンだけではなく、学生ボランティアが相談にのる「ブラザー/シスター制度」を設けていて、子どもたちの日頃の悩みを聞き、励ましあう関係が生まれています。

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photo by Natsuki Yasuda/studio AFTERMODE

SDGsの達成年である2030年に、どのような社会の姿を目指していますか。それに向けて、私たちにはどんなことができるでしょうか。

ミッションに掲げた「日本社会に貧困の連鎖を解決できるしくみをつくる」を実現していきたいです。
不確実な社会を生きていくためには、いわゆる学力や進学といったことに限らず、自分で考え学びとっていく力、非認知能力や体験など、さまざまな力が必要です。

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photo by Natsuki Yasuda/studio AFTERMODE

それらの力を育むためには、一人ひとりに合わせた教育のあり方が尊重され、教育の多様性が豊かな社会をつくることが大切です。私たちが取り組む「学校外教育バウチャー」に限らず、社会の中で孤立することなく包摂されるような学びの場を育んでいきたいです。

自分の持つ資源を、子どもたちのために投資するという気持ちが未来をつくっていきます。時間や知識、お金などその人にあった方法で、子どもたちに関わりを持つ人たちが増えてゆけばと思います。

関連サイト
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(CFC)

imai代表理事今井悠介さん
1986年生まれ、兵庫県出身。小学2年生の時に阪神・淡路大震災を経験。関西学院大学在学中、NPO法人ブレーンヒューマニティーで不登校生徒支援に関わる。KUMONで教室コンサルタントとして勤務。その後当法人設立・代表理事に就任。