[開催報告]SDGs東京学習会「G20に向けた市民社会の動きについて」
2019/03/28
今回の学習会では、6月に予定されているG20に向けた市民社会の動きについて学習しました。(一社)環境パートナーシップ会議もメンバーであるSDGs市民社会ネットワークの環境ユニットと、今後多くの活動が期待されている地域ユニットのメンバーを中心に、今後の活動の方向性などについて意見交換を行いました。
開催概要
○日 時:2019年3月19日(火)10:00~12:00
○会 場:地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)
○主 催:(一社)環境パートナーシップ会議(EPC)
○助 成:地球環境基金
プログラム
1)G20に向けた取組みについて
国際協力NGOセンター(JANIC) 堀内 葵 氏
(2019 G20サミット市民社会プラットフォーム事務局)
・G20サミットに先駆けて、市民社会が集まり、政策提言書をG20議長に手渡す場であるC20サミット(Civil 20 Summit)を4月21日~23日に東京で開催予定。
・C20はグローバルな枠組みであり、海外の市民社会とは英語でやりとりしている。日本においては言語や情報のサポートを2019 G20サミット市民社会プラットフォームが担っているC20の運営体制やワーキンググループの概要、C20サミットの準備状況などを。ウェブサイトを紹介しながら説明。
2)地域ユニットの活動について
1.各地方行政のSDGs取り組みの実情と地方創生との具体的取り組みについて
NPO法人ちょうふこどもネット 副理事長 横山 泰治 氏
>>>資料
・「多摩地域市民向けSDGs講座」を開催し、カードゲーム「2030 SDGs」を使用したワークショップなどを実施。ワークショップ時の様子の動画も紹介。
・地域でSDGsを推進しようとすると、住民の生き方に合わせることが重要。例えば、いきなりプラスチックの使用を廃止しようとしてもできない。まずは、社会を変えるためのアクションを起こせるようになる、というのが実際のところである。
・カードゲームの効果としては、例えば、行政で「やらされ感」でやっていた人が主体的に取り組めるようになった、などが見受けられる。行政は得てして積み上げ思考で高いゴールは設定しないが、達成するという視点に立つと、住民も巻き込んで取り組める。
2.各地域の市民社会との連携状況について
SDGs市民社会ネットワーク 事務局長代行 新田 英理子 氏
・地域ユニットは、環境ユニット他、様々なユニットと課題がつながっている。「SDGsボトムアップ・アクションプラン」の各優先課題と抱える問題を紹介。
・トップダウンとトリクルダウンで改革を進めようとすると、地域は一旦疲弊する。地域が改革できる前に、地域のある業態が疲弊して、抵抗勢力になることがままある。施策毎に市民の意見が割れるので、地域での混乱、疲弊が生まれるというのがこれまでの状態ではないかと考えている。
・さまざまな施策に地域の視点が含まれていない場合がある。特に地域に行くほど、ジェンダー平等の達成が弱いと感じている。
・トップダウンの施策で進める場合、地域で実施するまでに仕組みや書類が複雑すぎて、実際の取組や改革が進みにくい。
・当事者不在の審議会や要配慮者不在の防災訓練など、目指すところと実態が乖離している状況が見受けられるのではないか。
3)今後の方向性について
スピーカー、会場の参加者を含めた意見交換。
・SDGsそのものの認知度や取り組む人も一定程度広がってきており、次の時期がきているように感じる。SDGs市民社会ネットワークの事務局+αの中では、もう少し「Leave no one behind」色を前面に出してもいいのでは、という議論になっている。
・地域では今、SDGsを知った人から広げようという雰囲気になってきている。自分たちが行動しないと社会は良くならないことを知ってもらうツール。
・環境のインプットが地域の人に対してもっとあってほしい。どのようにマスとして取り組めるか。
・環境は、気候変動、パリ協定、SDGs、オリンピック・パラリンピック、生物多様性、愛知ターゲット、・・・と様々なものとつながっている。東京2020大会で地域や日本全体が元気になる時に、気候変動やSDGsなどを常に織り込んでいきたい。
・定期的に会合を開くことを検討したい。
・環境エネルギー大臣会合が6月にあるので、それにどう関わるのかの相談もしていきたい。