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[開催報告]新しいうねりをつくる:NGO戦略合宿レポート
2016/01/29

2016年1月8日-9日の2日間、三浦海岸にてSDGs達成にむけたNGO戦略会議が開催されました。参加者は全国各地で、SDGsに関わる活動に取り組む多分野のNGOメンバー15人。
メンバー間でサステナビリティをめぐる国内外のこれまでの動向や各団体の活動を共有しながら、過去の教訓をどう今後に活かすか、課題や可能性について、夜を徹する勢いで話あう程、熱のこもった場となりました。

分野横断型というチャレンジ

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合宿の様子。車座になって討論を続けた

SDGsはサステナビリティの課題を分野横断的に網羅した国際目標。そして、それぞれの目標は相互に関連が深いため、課題の解決には分野を超えたパートナーシップが不可欠です。外務省とNGOの意見交換会を通じて、内閣府など省庁横断型で取り組むためのしくみを政府内に設置することを提案していますが、同時に市民のレベルでも、多様なセクターの人たちが入り混じりながら、新たな顔ぶれを積極的に迎え入れることを意識しつつ、対話やアクションを推進する必要性を共有しました。

その際、要となるのが「つなぎ手」の存在です。分野横断型の課題を、政策レベルから現場レベルまで一人のひとが網羅することは大変難しく、互いが広く網を張り巡らし、重なりを広げてゆくこと、そして、地方の田舎の一次産業従事者や都市生活者、政策立案者など、多様な人たちを、言葉の上でつないでいく役割も必要であり、NGO自らもエンパワメント(スキルアップ)しながら、こういった通訳者・仲介者の役割を果たせる人たちを増やしていくことも必要です。

強いメッセージを放ち続ける

SDGsで言われていることは目新しいことではありません。一方「我々の世界を変革する」「誰も置き去りにしない」といった強いメッセージ性を持つこと、そして、社会のあり方そのもの、特に先進国に暮らす私たち自身の暮らしを見つめ直すことの必要性を強く問うものでもあります。一方で、SDGsそのものにも、例えば一方で小さな規模での経済的営みを尊重し、一方では大規模効率主義の経済を推進するような、矛盾を含む側面があります。こういった現実を踏まえつつ、市民社会としては、本来目指すべき姿/理想を掲げつつ、日々の活動を積み重ねることが大切であると共有しました。

可能性を拡大するために

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合宿会場の近くの、三浦海岸にて

合宿を通じて、さまざまな課題と教訓、そしてまだ未着手の可能性についての情報や意見が共有されました。これらを受け、次年度の活動計画をよりよいものにし、希望に満ちた2030年を迎えていくために。5月に開催されるG7サミットの終了した頃のタイミングに再び集まり、今後の中長期のビジョンづくりについて話し合っていく予定です。

<文:今井麻希子>