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[サステナビリティ紀行]海のごみから考える未来
2018/05/29

「美しい海をこどもたちへ」。そんな想いを胸に、1990年に日本で初めて「International Coastal Cleanup=ICC(国際海岸クリーンアップ)に参加した有志によってつくられたのが、一般社団法人JEANです。海のごみの問題には、海辺を離れたところでの私たちの生活も影響していますが、あまりその実態は知られていません。今回はJEANの小島あずささんにお話を伺いました。

海のごみの問題は主にどのようなことが原因で起こるのでしょうか?また、近年、現状はどのように変化しているのでしょうか?


降りる道のない海岸に漂着した大量のプラスチックごみ

海のごみ問題の原因は、ポイ捨て、不法投棄、ごみ集積所等の管理不充分など多様です。ICCの結果考察では、海辺のレジャーや漁業などから出るごみよりも、陸域起因の生活ごみが、川などを通って海に流れてくるものが多数を占めることがわかっています。その多くはプラスチック製品とその破片ですが、ごみとなって自然界に出たプラスチックが紫外線や波浪などの衝撃、海岸の高気温などで劣化し、微細片になっており、マイクロプラスチックとして注目されています。

国内外で注目されている取り組みにはどのようなものがありますか?


ICCが行っているごみの調査の様子

海のごみ問題はプラスチックによる海洋汚染と捉えられており、回収活動だけでは改善しません。プラスチックの使用を減らす発生抑制が最重要です。イギリスでは、プラスチック製のストローやマドラー等の使用禁止にする計画を発表。韓国では2030年までにプラスチックの使用量を半分に減らすと宣言しています。一方日本では、残念なことに国による発生抑制の具体策はほとんどなく、普及啓発にとどまっています。洗顔料などのスクラブ材などに用いられるプラスチックマイクロビーズについても欧米諸国などが法的規制措置をとっているのに対し、日本では業界団体による自主規制のみという状況です。

どのような活動や知識が、海のごみの問題を解決する糸口となりそうでしょうか?パートナーシップを通じてできそうなことはありますか?

現状を知ることと、自らがプラスチックの使い捨てをやめることです。毎年9~10月に世界中で展開される、集めたごみを調査する国際海岸クリーンアップ(ICC)に、ぜひご参加ください。世界中から100を超える国と地域が、国際的なネットワークの下に参加しています。


小島あずさ (こじまあずさ)
一般社団法人JEAN 事務局長、ICC(国際海岸クリーンアップ)の日本のコーディネーター。広告制作の仕事を経て、友人と共に布製の買い物袋を企画販売、日本発のエコバッグとなる。1991年に仲間3人でJEAN設立、以来ICCの日本での運営を始め、海洋ごみについての普及啓発、対策推進のための会議開催、政策提言などに取り組んでいる。