サステナビリティCSOフォーラム

HOME > コラム寄稿 > [サステナビリティ紀行]ファッションと笑顔で仲間を増やし、どんどん社会と向き合っていく

[サステナビリティ紀行]ファッションと笑顔で仲間を増やし、どんどん社会と向き合っていく
2021/03/24


”服・ファッション”にまつわる環境問題やサステナビリティの課題が話題になっています。海外のハイブランドでも気候変動に関する取組みが進むなど、業界での動きも盛んになってきました。身近なテーマとして若い世代の関心も高く、オンラインセミナーやイベントも増えてきました。主に女子大生中心に活動しているNPO法人DEAR MEの佐野さんにお話を伺いました。

質問1:貴団体の設立経緯や活動内容について教えてください。最近の主な活動は何でしょうか。

NPO法人DEARMEは「ファッションを通して持続可能な社会創りに貢献する」をビジョンに現在は主に日本とフィリピンで活動しています。
2015年より、フィリピンの貧困地区に住む子どもたちと、共に創り上げるファッションショーをこれまでに計7回毎年開催してきました。“ランウェイの上で夢を描く”をコンセプトとし、生まれた環境に関わらず人生の主人公は自分自身だと感じられるファッションショーです。
また、2022年2月にはフィリピンの貧困地区で暮らす人々が無償で通うことのできるファッションラボラトリー「coxco Lab」の開校を予定しており持続可能な社会に貢献できる人材の育成を目指しております。
また、日本では2020年に企業と消費者が手を取り合い持続可能な社会を共創するTimeless Worth プロジェクトを始動しました。
社会全体で持続可能な社会を実現するために業界や団体、世代を超えた多様な価値観を見出し、未来世代が求める社会を創って行くプロジェクトです。

2020年2月に開催したファッションショー前に成功を願って円陣を子どもたちと
2020年2月に開催したファッションショー前に成功を願って円陣を子どもたちと
 

質問2:ウェブサイトを拝見すると、とても楽しそうな写真を多く見受けます。活動を広げるための工夫や重視していることは何でしょうか。

社会課題をネガティブに捉え伝えるのではなく、できるだけオシャレに楽しく発信することで、皆さまと共にプロジェクトを創り上げていきたいと考えています。
実際にメンバー全員が主体的にポジティブに活動しているのでその様子をありのままに伝えています。
イベントや各企画も同世代から共感を持ってもらえるように、メンバー中心に自分たちが楽しいと思えることや可愛いと思えることを考え、取り組みに生かすようにしています。
 

質問3:ファッションをテーマにしたことで見えてきたSDGsの目標やさらに見えてきた課題などはありますか?

DEARMEは
1.貧困をなくそう
4.質の高い教育を
10.人や国の不平等をなくそう
12.つくる責任、つかう責任
を主なテーマとして、活動当初よりファッションの持つ力を信じてきました。
人が生きるためには「衣」「食」「住」が重要だと言われていますが、生きるという観点からみると「衣」は重要度が低いかもしれません。
しかし、ファッションは人に自信や勇気を与えてくれ、胸を張って未来を生きるためには欠かせないものです。
だからこそ、ファッションを通して、フィリピンの貧困問題に向き合ってきました。
しかし、活動を続ける内に、現代のアパレル産業の裏には、地球環境汚染や人権問題など、様々な問題を抱えている現実を目の当たりにしました。
現在は、そういった課題を、少しずつ認知を広げ、解決していくことで大好きなファッションでより良い社会を創ることを目指し、フィリピン、日本両軸のプロジェクトを進めています。

ランウェイの上で堂々と歩く子ども
ランウェイの上で堂々と歩く子ども
 

質問4:これからも活動を進めていくにあたって、ステークホルダー連携やパートナーシップについて、提案や期待していることがあればお聞かせください。

私たちが目指す持続可能な世界は一団体では創り上げることはできません。業界や団体、世代の枠を超え、手を取り合い→共創することで、実現できると考えています。
私たちのどの活動においても、アパレル業界やNPOという枠を超え、企業、行政など様々なセクターとの連携を通して、社会全体が共に社会問題を学び解決し、より良い社会を共創していきたいと考えています。

オンラインイベント
3月13日に開催したTimeless Worth 共に創るサスティナブル
オンラインイベントを開催した時の様子

*Instagram U R L
https://instagram.com/dearme_fashion?igshid=1wahxxncmtkit

佐野まさこプロフィール:佐野まさこ
神戸女学院大学3年生。
大好きなファッションを通して社会課題に取り組む活動に共感を持ち2019年よりDEAR MEに加入。その年に2度フィリピンへ渡航し、子どもたちから多くのことを学ぶ。この春からDEAR MEの学生支部の代表を務める。