サステナビリティCSOフォーラム

HOME > メールマガジン > SDGsメールマガジンVol.7

SDGsメールマガジンVol.7
2014/02/6


○━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
           SDGsメールマガジン      
                     Vol.7 2014.2.6
                 環境パートナーシップ会議(EPC)
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━○

 もくじ
 【1】国際動向特集 OWG now!第8回OWGの現地レポート
 【2】国際動向特集 新設 国連総会議長主催イベント等の日程
 【3】国際動向特集 OWGに向けての専門家レポート(エネルギー・履行の手段)
 【4】国内の動き  国連大学サステイナビリティ高等研究所
 【5】国内の動き  1/26 四国SDGs勉強会part2
 【6】お知らせ   2/26 SDGs勉強会@東京ほか

 ※2/26(水)18:00~ SDGs勉強会@東京
 「私たちのこれから:2015年以降の開発目標をヒントに考える」
  http://www.epc.or.jp/summit.item.314/sdgs.html

・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。

【1】国際動向特集 OWG now!第8回OWGの現地レポート

 2月3日から7日まで、ニューヨーク国連本部にてSDGsの第8回公開作業部会(Open Working Group8;以下OWG8)が開催されています。
進行としては、朝9時から10時にモーニング・ヒアリングと呼ばれるステークホルダーダイアログのセッションが、午前中(10時~13時)と午後(15時~18時)にメインセッション(各テーマの専門家によるキーノートスピーチと、それに対して加盟国(委員)が意見するインタラクティブセッション)が開催され、合間の時間(昼と夕方)に複数のサイドイベントが行われています。リオ+20の会合同様、女性メジャーグループは連日朝の戦略会議を連日設定し、モーニング・ヒアリングでのスピーチ内容や各国の動きを共有し合っています。参加者は約40名。
南北アメリカ、アフリカからが多いです。メジャーグループからのプレゼンテーションでは女性グループからのものが非常に情熱的で心を動かすものがあると、共同議長からもコメントがありましたが、一方でモーニング・ヒアリングには各国政府はほとんど参加していないのが実状。プレゼンの内容は国連のWebサイトに掲載されるそうですが、果たしてどこまでその声が受け入れられるのかと疑問視する声もあがっています。

 また、キーノート・スピーチについては、各分野の専門家を招いているため情報が豊富で興味深いものがありますが、一方で、そういった知見を持続可能性の課題解決に結びつける上での社会的視点(例:コミュニティでの優良事例の紹介など)の共有がより多く盛り込まれたものだとよかったのに、という声もありました。各国の発言も課題の重要性について述べたものが多く(発言内容にほとんど差が出ない)、解決策に向けた提案部分が薄いという印象です。
交渉ではないため、会合そのものも定刻で終わり、全体的に緩やかな雰囲気の中会議が進行しています。日本からは、南審議官から、生物多様性に関連して、既存の合意事項を考慮しつつ、総合的に整合的な議論を持つことが必要であること、里山イニシアティブの掲げるような二次的自然の持続可能な管理や利用の推進、社会科学的、ESD(持続可能な開発のための教育)の視点を持つことの重要性などについて発言がありました。

続きはこちら≫ http://www.epc.or.jp/summit.item.315/sdgs.html
              (ニューヨーク:2月5日、今井麻希子)

○OWGの報告書策定プロセスとして、第2セットのOWGが以下の日程で行われる予定です。
 -3/3~7、3/31~4/4、5/5~9、6/2~6、7/14~18

・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。

【2】国連総会議長主催  ハイレベルイベント・テーマ別討議の日程と詳細
   The Post-2015 Development Agenda: Setting the Stage!
   https://www.un.org/en/ga/president/68/settingthestage/

前号のメールマガジンで取り合げた国連総会議長主催のハイレベルイベントについて、詳細がUNのウェブサイトに掲載されましたので、概要をお送りいたします。

○目的
ポスト2015開発アジェンダにおいて特に重要であるテーマについて、コンセンサスの形成と実施に向けた具体的なアクションの考案のために加盟国やその他ステークホルダーによる議論を促進し、OWGやファイナンス委員会などの既存のプロセスに反映させる。

○日程
ハイレベルイベント
 2014/3/6-7 ポスト2015開発アジェンダへの女性・若者・市民社会の貢献
 2014/5/20-21 南南・三角協力と開発のためのICT
 2014/6/17-18 人権と法の支配
テーマ別討議
 2014/2/18-19 水・衛生・持続可能なエネルギー
 2014/4/9-10 パートナーシップの役割
 2014/4/24-25 平和で安定した社会の実現
ハイレベル・ストックテーキング・イベント
 2014年9月

○2014/2/18-19 テーマ別討議—水・衛生・エネルギー
https://www.un.org/en/ga/president/68/pdf/sts/
Concept_Note_on_Water_Sanitation_and_Sustainable_Energy.pdf

○2014/3/6-7 ハイレベルイベント
—ポスト2015開発アジェンダへの女性・若者・市民社会の貢献
https://www.un.org/en/ga/president/68/pdf/sts/
Concept_Note_on_the_Contributions_of_Women_the_Young_and_Civil_Society.pdf

・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。

【3】国際動向特集 OWGに向けての専門家レポート

 OWGに向けて、専門家によるレポート(Techinical Support Team(TST) Issues Briefs)が発表されています。
 今回も、その中のいくつかの簡単な抄訳をご紹介します。

■エネルギー(Energy)
 エネルギーは持続可能な開発の中心であり、経済成長、雇用、食糧安全保障、健康、安全、教育等に影響し、生態系や気候変動とも関わる。現代的なエネルギー供給には偏りがあり、30億人近くが固形バイオマスを生活に利用しているが、それは健康被害、森林破壊、ジェンダー問題、温暖化などをもたらす。
この「エネルギーギャップ」に確実に取り組むため、最貧国のニーズはポスト2015の枠組みにおいても優先されるべきである。
 現在のエネルギーシステムの大きな転換が必要であり、その鍵はエネルギーインフラの高度化、効率の向上、再生可能エネルギーの普及と、そのための投資を促すような政策、ビジネスモデル、環境などを整えることにある。

 SDGsへのエネルギーの組み込み方については、単独の目標を作る案と他の目標とまとめる案がある。前者が有力で、ターゲットとしてはアクセスの普遍性、効率、再生可能エネルギーの3つを中心に、加えて健康、ジェンダーなどが考えられている。後者は気候変動や包括的な成長などの目標の中にエネルギーを位置づける案であり、関連目標と共同して取り組めるなどのメリットがある。どちらの案においても、普遍性、統合的アプローチ、地域への順応性、参加の透明性と包括性、ガバナンス、モニタリング、技術、ビジネスモデルなどの要素は共通して重要とされている。

全文(原文)はこちら
http://sustainabledevelopment.un.org/content/
documents/2077Energy%20Brief_Final_20_Nov_edits.pdf

■履行の手段(Means of Implementation; Global Partnership for achieving sustainable development)
 履行手段の概念は、以下に示すような手段等の相互依存的な組み合わせや、持続可能な開発アジェンダの履行に必要とされる促進的環境をつくることを表す。
○資金調達…公的資金と民間資金はそれぞれ利点と欠点があり、どちらも必要である。政策によって民間融資を促進し、投資のインセンティブを持続可能な開発にうまく結びつけることが政府の役割である。
○技術…クリーンな技術、ICTや基礎医薬品へのアクセスなどの脆弱層のための技術を開発、移転、普及することが必要である。
○能力開発…それぞれの国家の行政能力を強化し、一貫した政策と統合的アプローチを実行していくことが持続可能な開発の鍵である。政策形成、ガバナンス、貿易への援助、LDCsにおけるベーシックニーズの優先、人材育成、モニタリング・評価の能力、南南・三角協力、市民社会、科学・政策・社会のインターフェースなどに焦点を当てなくてはならない。
○貿易…途上国の中でも、世界経済の中で台頭する国もあれば、貿易の利益を享受できていない国もある。国内の貿易政策を一貫した政策枠組みの中に位置付け、税や補助金を適正化していくことが重要である。
 MDG8でも示された開発のためのグローバル・パートナーシップや、分野・地域ごとのマルチステークホルダーパートナーシップは、課題の解決のため中心的な役割を果たすもので、制度の複雑化・重複による非効率に注意して設計していく必要がある。

全文(原文)はこちら
http://sustainabledevelopment.un.org/content/documents/
2079Issues%20Brief%20Means%20of%20Implementation%20Final_TST_141013.pdf

・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。

【4】国内の動き 国連大学サステイナビリティ高等研究所

 国連大学高等研究所(UNU Institute of Advanced Studies)と国連大学サステイナビリティと平和研究所(UNU Institute for Sustainability and Peace)が統合され、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU Institute for the Advanced Study of Sustainability/略名:UNU-IAS)として新たなスタートを切ることになりました。現在統合作業が進められており、2014年に完了する予定です。新しい研究所は国連大学本部(渋谷区)に設置されます。UNU-IASの新所長として、2014年1月1日付で、竹本和彦氏が就任しました。

・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。

【5】国内の動き レポート

 SDGs/ポストMDGsに関して、国内のNGOが様々な取り組みを行われました。
その中から、ピックアップしてレポートします。

———————————————————————-
●1/26 四国SDGs勉強会part2 (SDGsセミナー in 松山)
【日時】2014年1月26日(日)10:00~12:00 
【場所】愛媛県松山市内
【主催】環境パートナーシップ会議(EPC)
    四国EPO(四国環境パートナーシップオフィス)

 松山市内にてSDGsセミナーin松山を開催しました。冒頭主催者より、SDGs等の国際的な動向を紹介した後、四国各地で農業やNGOとして持続可能な地域づくりに関わるパネリストを交えて意見交換を行いました。意見交換の中では、SDGsは包括的な目標であり農村が抱える第一次産業の衰退、高齢化、地域崩壊などの課題を解決する目標となってほしいと言った意見や、地域の消費や生物多様性などのテーマでSDGsと四国地域がつながるのではないか、ESDというコンセプトや実施手法がSDGsでも重要になってくるといった意見が出されました。
地域のそうした声を四国から発信できるよう、提言をまとめていくことになりました。

———————————————————————-
●環境研究総合推進費S-11・Beyond MDGs Japan合同公開シンポジウム
ポスト2015年開発アジェンダ
-持続可能な開発目標(SDGs)とポスト・ミレニアム 開発目標(MDGs)の統合へ向けて
【日時】2014年1月17日(金) 13:00~18:00
【場所】イイノカンファレンスセンター (千代田区内幸町)
【主催】国立大学法人 東京工業大学
【詳細】http://www.post2015.jp/event.html#ttl05

国内外の有識者と参加者によSDGs及びポストMDGsの視点から新たな目標の在り方や持続可能な開発の達成のための統合的な目標の在り方について議論がなされました。
※ウェブサイトに発表者の発表資料も掲載されています。

・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。

【6】お知らせ

———————————————————————-
●持続可能な開発目標(SDGs)セミナー in 東京
【日時】2014年2月26日(水)18:00~20:30
【場所】GEOC
【主催】環境パートナーシップ会議
【詳細】http://www.epc.or.jp/summit.item.314/sdgs.html
 ○イントロダクション:SDGsを巡る議論の今とこれから、第8回OWG報告
      今井麻希子氏(国連生物多様性の10年市民ネットワーク)
 ○ポスト2015:世界の目標づくりへの市民の関わりに関する様々な視点
     ・MDGsの視点から:普及啓発とその達成にむけた活動から振り返る
      稲場雅紀氏(動く→動かす) 
     ・企業の視点から:
      黒田かをり氏(CSOネットワーク)
     ・国際目標と市民の暮らしをどう結び付けるか
      町田佳子氏(WWFジャパン)(調整中)  
     ・地域の暮らしの現場視点から考える
      坂田昌子氏(国連生物多様性の10年市民ネットワーク) 
・農村の持続可能な暮らしを取り戻すために
      谷川徹(四国生物多様性ネットワーク事務局)
 ○パネルディスカッション
     ・これから市民としてどのようなアクションができるか

———————————————————————-
●関東ESD学びあいフォーラム
なぜ今、ESD環境教育が必要か? どうすれば実践できるか?
~学校、企業、地域で明日から実践できるESD~
【日時】2014年2月8日(土)13:00~16:30
【場所】東京ウィメンズプラザホール・GEOC(渋谷区)
【主催】環境省関東地方環境事務所、
    関東地方環境パートナーシップオフィス(関東EPO)
【詳細】http://www.geoc.jp/news/21978.html

———————————————————————-
●私たちがつくる「ポスト・ミレニアム開発目標」
 ~「防災」目標に現場からの声を~
【日時】2014年2月9日(日)12:00~13:50
【場所】JICA横浜(横浜市中区)
【主催】動く→動かす
【詳細】http://gcapj.blog56.fc2.com/blog-entry-301.html

———————————————————————-
●パートナーシップによる持続可能な地域づくり
 ~持続可能な開発目標(SDGs)を通してみる世界と日本~
【日時】2014年2月19日(水)14:00~17:00 (開場13:30)
【場所】国際連合大学(渋谷区)
【主催】環境省、国際連合大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)
【詳細】http://www.event-notice.jp/20140219/index.html

———————————————————————-
●MDGsカウントダウン・ネットワーク会議2014
【日時】2014年2月28日(金)
【場所】早稲田奉仕園 リバティ・ホール(新宿区)
【主催】(特活)国際協力NGOセンター(JANIC)
【詳細】http://www.janic.org/event/mdgs2014.php

 最後まで、読んでいいただきありがとうございます。
 メールニュースを直接購読ご希望の方は申込フォーム
( http://bit.ly/17jRn5D )よりご登録ください。

○・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・●
 発行:一般社団法人 環境パートナーシップ会議(EPC)
 編集:編集チーム
    (北橋みどり、江口健介、姜そんう、今井麻希子、福島宏希、西本多恵)
 URL:http://www.epc.or.jp/summit/   E-mail: rio20@epc.or.jp
●・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・○
  Copyright (C)環境パートナーシップ会議  All Rights Reserved.