地球規模と国内の課題に向き合うNGO~ポスト2015に向けて~
2015/02/13
2015年2月8日、ポスト0215において、国際協力NGOが国内の課題にも向き合うことで今後いかに変容すべきかを考える講座(共催:動く→動かす、(特活)アフリカ日本協議会、(一社)環境パートナーシップ会議、(特活)国際協力NGOセンター(JANIC))がJICA横浜で開催されました。
ポスト2015においては、貧困、格差の拡大、気候変動や生物多様性といった環境問題など、「地球規模」かつ「身近な」課題に、国際協力NGOと国内NPOという垣根を越えて取り組む必要性が増大しています。
国内の貧困問題に取り組む「自立生活センター・もやい」理事長の大西連氏、福岡で地域における生ごみ循環に取り組む「循環生活研究所」理事長のたいら由似子氏から国内での取り組みや課題に関して問題提起され、国際協力NGOが国内の課題にも向き合うことで今後いかに変容すべきかお話していただきました。
(1)大西氏のプレゼンテーション
国内の貧困問題について全体的にお話しして頂きました。特に印象的だったのが、世界的に絶対貧困数は減ってきているが、日本の相対的貧困率(年間の可処分所得122万以下)はOECD諸国で4番目に高い貧困率であると述べていたことでした。
(2)たいら氏のプレゼンーション
団体活動の中で環境や貧困などの問題に取り組むため、地域内で密接に協力しているとのことでした。国内の教育農場だけでなく、生ごみコンポスト人材養成実習をベトナムのハノイ市で開催するなど、アジア各国での教育活動にも力を入れるという話がありました。
(3)ディスカッション
ディスカッションでは、国内問題と地球規模問題を解決するために国際と国内NPOがどのように協力していくべきかを国内主催団体の方だけでなく学生の方々も積極的に発言していました。「動く→動かす」代表の今田氏はもっと多くの人がSDGsを知ってほしい。17項目と目標は多いが、自分に興味がある分野を見定めて、貢献できそうなことは行動に起こしてほしいとおっしゃっていました。
たいら氏は、文化的閉経を踏まえて、実態に基づいた、課題解決と人を育てる仕組みを支援していくことが必要と述べていました。大西氏はローカルな活動をしていると国や国際レベルの視点を持って活動するのが難しい。こうした問題を解決するためにローカルの視点をまとめて国に提言しているとおっしゃっていました。
また、国際貢献の仕事を目指す学生に対して、とにかく動くこと、見ること、解らないことは聞くこと、一生懸命やること、例えば日本は1億2000万の人口がいて、自分に出来ることは小さいと思ってしまうが、クラスの30人を変えようと思ったら自分が出来ることは大きいと学生に対して親身に回答していました。
貧困、格差の拡大、気候変動を解決して行く為には一人一人が目標や行動指針を持って、ローカルな目線を持ちながらグローバルな行動をしていくことが今後必要となってくるでしょう。(M.Asahi)