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[第3回国連防災世界会議]パブリック・フォーラム「東日本大震災と持続可能な防災教育シンポジウム」に参加しました(3月15日)
2015/03/25

2015年3月15日、仙台市シルバーセンターにて、国連防災世界会議のパブリックフォーラムイベントとして、『東日本大震災と持続可能な防災教育シンポジウム』(主催:仙台広域圏ESD/RCE運営委員会)が開催され、日本ユネスコ委員で前気仙沼市教育委員会副参事の及川幸彦氏の基調報告『持続可能な防災教育の方向性〜自助、共助、公助、N助の関連性』に続けて、『神戸、インドネシア・アチェ、気仙沼の教訓と防災教育』と題するシンポジウムが行われました。

ESDと防災教育の融合

20150315_135608及川氏は、震災前から持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development,以下ESD)を実践していた気仙沼地域について、震災後はその教訓を踏まえ、ESDと防災・減災を融合させ防災力を高める教育を実践しているとして、ESDの理念や学習アプローチ、育む能力・態度、地域を含めた総合的な教育であるという考えは、防災教育にも通じるところがあることを強調していました。
なかでも、育みたい能力・態度には、気仙沼オリジナル目標として、“自ら考え行動しようとする”態度が追加され、小学校低学年から中学生までの発達の全段階で推奨されている点や、自助、共助、公助それぞれの取組をネットワーク化したものとして。“N助”という新たな考えに注目が集まっていました。

各地域における震災後の教訓と防災教育

シンポジウムでは、NPO法人SEEDS ASIA 事務局長の中川裕子氏からは、阪神大震災以降の防災における学校の役割が変化し、年1回程度の避難訓練のみから総合的な防災教育へと“昇格”したことや、阪神大震災は99%以上が自助、共助で助かった経験を踏まえ、防災と福祉コミュニティが結成されたという話がありました。
このコミュニティは15年経った今、活動のマンネリ化、参加者の固定化、高齢化などの問題があり、地域の取組に温度差が出てきているそうですが、活発化しているところは必ず子どもの巻き込みがあるという共通点があり、学校と地域をつなげる活動が重要だという指摘をしていました。

インドネシアのスルタン・イドリス教育大学のユスフ博士からは、スマトラ沖地震アチェの経験と、民間伝承の知恵が犠牲者を少なくしてきた事例とともに、現地に伝わる歌の一例で、警告に備えよというNAFINAFIという歌の紹介がありました。インドネシアでは、近代的情報伝達技術がなかった昔、大きな地震が起こり、津波が発生した際の対処方法は物語や詩、歌などを通して学んできたそうです。なお、アチェの地震後の復興過程の中で、NAFINAFIは学校のカリキュラムに組み込まれたということです。

日本を含むアジア地域は地震多発地帯である上に、近年は、気候変動の影響による異常気象で、災害件数が増加しています。さらに途上国地域においては急激な都市化が進み、脆弱な建築物の多いため、経済的損失が他の地域に比べ高い傾向にあります。学校教育の中でもこうした災害リスクの理解を進め、アジア、日本問わず、科目横断のカリキュラムで組織的に取り組むこと、単なるドリル(避難訓練)ではなく、思考と行動を伴うプロセスを重視し、地域を交えた統合的な防災教育に発展させていくことが今後さらに求められてくると言そうです。(s.shirai)

「東日本大震災と持続可能な防災教育シンポジウム」プログラム

13:10~ オープン報告 『東日本大震災の復旧・復興』
NPO法人水守の郷・七ヶ宿 榎戸博子 副理事長、仙台市立七郷小学校教諭 亀崎英冶氏
13:30~ 開会行事 仙台広域圏ESD・RCE 運営委員会
13:40~ 基調報告 『持続可能な防災教育の方向性~自助・共助・公助・N助の関連性~』
日本ユネスコ国内委員 及川幸彦氏 (前気仙沼市教育委員会副参事)
14:20~ 休 憩  
14:30~ シンポジウム 『神戸・アチェ・気仙沼の教訓と防災教育』
コーディネーター;
小金澤孝昭氏(宮城教育大学教育復興支援センター)
パネリスト;
(神戸)中川裕子氏(NPO法人SEEDS ASIA 事務局長)、(アチェ)Dr. Qismullah Yusuf氏(Sultan Idris Education Univ.)、(気仙沼)及川幸彦氏(日本ユネスコ国内委員会、前気仙沼市教育委員会)
15:40~ 閉 会