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[第3回国連防災世界会議]太平洋島しょ地域における持続可能な開発のための自然災害と気候変動へのレジリエンス構築
2015/03/30

2015年3月16日、東北大学川内北キャンパス講義棟にて、国連防災世界会議のパブリックフォーラムイベントとして、太平洋地域における持続可能な開発のための自然災害と気候変動へのレジリエンス構築/Building Resilience to Disasters and Climate Change for Sustainable Development in the Pacific(主催:太平洋コミュニティ地域事務局(SPC)、太平洋地域環境計画事務局 (SPREP)、国連防災・減災事務局 (UNISDR)、後援:JICA.)と題するシンポジウムが行われました。
折しも、カテゴリー5の強大なサイクロン・パムがバヌアツを襲ったばかりであり、開会に先立ち、4年前の東日本大震災とバヌアツの犠牲者に対して黙とうが捧げられました。

気候変動対策と防災・減災対策の融合

20150316_095717開会の挨拶では、アノテ・トンキリバス大統領がスピーチを行い、バヌアツを襲ったサイクロン・パムに触れつつ、“この10年で台風は強大化、頻発化している。我々の安全保障に関わる問題であり、太平洋地域の政策的枠組みの中で、持続可能な発展に向け、気候変動と防災・減災管理を一体化させた統合戦略を発展させていく必要がある”と述べ、包括的な気候変動と自然災害対策を太平洋地域内で取り組む決意を表明していました。

基調講演として登壇した京都大学の松下和夫教授からは、大統領のコメントをデータで裏付けした上で、“気候変動対策とDRR(防災・減災)を一体化させた統合的アプローチは、政策的枠組みを効果的に機能させ、国家のキャパシティビルディングを強め、国際コミュニティからのサポートも増やすことができる”と述べ、それらを進めるためにも、太平洋地域におけるパートナーシップとマルチセクトラルアプローチを強化していくよう強調していました。

太平洋島しょ地域で防災レジリエンスを高めるには

シンポジウム後半は、トンガの副首相やサモアの政府高官、EUのグリーン経済担当者、太平洋島しょ地域のユース団体や障害者団体、地域環境計画の代表や事務局長など、非常に幅広い顔ぶれを揃えパネルディスカッションが行われました。
主に、それぞれの立場で、“太平洋島しょ地域で災害に対するレジリエンスを高めるために何ができるか”といった視点で行われ、「災害の復興過程に経験や情報、教訓を活かし今はもちろん、前よりもよい状態に戻していく」(トンガ副首相)、「幅広いステークホルダーを交えた広範囲な教義が必要。太平洋島しょ地域のパートナーシップに対して支援していく」(EU担当者)、「若者のリーダーシップ力を高め、市民社会、政府、NGOなど色々な主体を巻き込み活動していく」(ユースカウンシル)、「市民社会には災害レジリエンスを強化する役割があり、脆弱な人たちを包摂する考えも重要だ。」(障害者フォーラム)といった意見が出されました。また、フロアからの意見やコメントに対して、太平洋島しょ地域にとってレジリエンスを高める優先すべき対象は人間自身であることや、持続可能な開発目標:SDGsやCOP21の議論の中で、DRRと気候変動対策は重要なテーマになること、レジリエントを高めるためには、国から地域レベルまで、それぞれに合ったやり方、取組、適切なパートナーが必要であるのではないかといった意見が付け加えられました。

パネリスト

○トンガのシアオシ・ソバレニ副首相
○EUの気候変動・環境・自然資源・グリーン経済ユニット長クリスティーナ・パスカ・パーマー氏
○太平洋ユースカウンシルのイナンガロ・ヴァカフィ副議長
○太平洋障害者フォーラムのCEO セテレキ・マカナワイ氏
○サモア国家災害管理局のフィロメナ・ネルソン氏
○太平洋地域環境計画のコシ・ラトゥ事務局長

気候変動と災害レジリエンスを高めるには、点在する太平洋の島々の一国だけでどうにかできるものではなく、太平洋島しょ地域のあらゆる国々や地域のステークホルダーとのパートナーシップを強化し、知識や技術を共有していくことや、貧困削減にも資する包摂的アプローチが地域のレジリエンスを高めるといったことが、シンポジウム全体を通して再三、強調されていました。

※なお、本シンポジウムを主催した島しょ地域も参加する第7回太平洋・島サミット(PALM7)は、2015年5月22日及び23日に福島県いわき市で開催されます。