[連載:持続可能な社会の実現に向けて]第2回:アジェンダ21
2014/12/25
話し手:環境パートナーシップ会議(EPC)副代表理事/リオ+20地球サミットNGO連絡会幹事
星野智子
●リオサミットで採択採択された「アジェンダ21」とは、どのようなものですか。
アジェンダ21は地球サミットで採択された、持続可能な開発のための包括的な地球規模の行動計画です。4部構成で40章からなり500ページにも及びます。条約 のような拘束力はありませんが、各国が持続可能な社会をつくるための指針となっています。
●アジェンダ21で、注目すべきポイントにはどんなものがありますか。
第三部に主たる“グループの役割の強化”というのがあり、各メジャーグループ (労働者、産業界、科学者NGO、青年など)がそれぞれの役割を果たしていくことやNGOへの支援が国民の積極的な参加について、必要性が書かれています。
●アジェンダ21の各国での導入のため、国別行動計画がつくられたそうですね。日本の国別行動計画はどのようにつくられたのでしょうか。それはどんな内容ですか。
国別行動計画書は、地球サミットの翌年12月の閣僚会議において策定が決定し、国連に提出されました。ライフスタイルを環境配慮型に変えるための啓発や、国際的な取り組みへの参加、貢献、資金制度の準備、環境技術のための途上国支援などが重点的課題として掲げられています。日本政府の「アジェンダ21」に対して、地球環境市民会議(CASA)らの団体が提言を発表しています。
また地方自治体の取り組みを効果的に進めることも掲げられ、この実現のために、環境庁(当時)は、自治体に向けた“ローカルアジェンダ21”策定にあたっての考え方を指針としてとりまとめ公表しました。
●地域での実施のため「ローカルアジェンダ21」が策定されたそうですが、どのようなものでしょうか。
アジェンダ21に書かれている方針や精神は日本の”環境基本計画”にも反映されており、個別の政策へも影響を与えています。自治体では神奈川県が93年に初めて策定し、その後板橋区なども策定。
これまでに12政令指定都市、318市町村が策定しました。策定が実地を通じて、持続可能な開発の実現に関する市民等の意識の高まりや、行政と市民等のパートナーシップによる取り組みの促進などの効果が認められていると、環境省の調査には報告されています。
(参考)
Agenda21(英語原文:PDF)
http://sustainabledevelopment.un.org/content/documents/Agenda21.pdf
国際連合広報センター「アジェンダ21」
http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/agenda21/
日本政府の「アジェンダ21」行動計画
http://www.erc.pref.fukui.jp/info/a21.html
日本政府の「アジェンダ21」に対するCASA提言の概要
http://casaletter.web.fc2.com/teigen/paper/9405-casa-agenda21-j.html
「ローカルアジェンダ21」策定状況調査結果について(環境省平成15年発表資料)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=4101