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[サステナビリティ紀行]持続可能な社会の実現にむけた市民参加とパートナーシップ~SDGsの策定と実施にむけて~
2014/12/5


話し手:上智大学大学院地球環境学研究科准教授 中島恵理さん

●SDGs策定に向けて、国連で議論が進んでいます。市民参加やパートナーシップという視点から、どのようなポイントに着目していますか。国内外の注目すべき動きにはどのようなものがあるでしょうか。

リオ+20の成果文章「我々の望む世界」では、すべてのステークホルダーに対してオープンで、参加型で透明性のある政府間調整を経て「SDGs」を策定すること、5つの地域グループを通じて加盟国により指名された30人の専門家で構成されるオープンワーキンググループによって検討を進めることが盛り込まれました。2013年からオープンワーキンググループが開催され、国連経済社会理事会の協議資格団体、リオ+20党の参加実績のある団体のオブザーバー参加、市民意見を聞くための早朝ミーティングと会合間ミーティングの開催等多様なステークホルダーの参加のもとSDGsの検討が進められています。
リオサミット本会議2014年8月にまとめられたリポートに、SDGsの目標案が提示されており、「実施の手段の強化及び持続可能な開発のグローバルなパートナーシップの活性化」が掲げられています。全ての国における、知識、専門性、技術、資金を動員及び共有する多様なステークホルダーの協働により実現されるグローバルなパートナーシップの推進、パートナーシップの経験の蓄積、協働の方策の構築による、公共、民間及び市民社会の効果的なパートナーシップの推進が位置付けられています。このような中、我が国で、サステナビリティCSOフォーラムが立ち上げられ、行政、企業、市民社会の参画のもと、日本の各地でSDGsを議論する会合が活発に開かれていることに注目しています。(右写真:2012年6月に開催されたリオ+20より)

●日本における市民参加やパートナーシップの現状をどのように評価しますか。これからの社会づくりに向けて、どのような活動が必要になるでしょうか。

日本の市民参加やパートナーシップは一定程度進められてきました。行政の検討会や審議会は原則公開され、重要な政策に係る報告書や答申の作成にあたってはパブリックコメントが行われるようになりました。「地球環境パートナーシッププラザ」のような行政、企業、市民社会の協働を促す場づくりや環境政策における市民参加や協働を促す根拠法として「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」も制定されました。しかし、例えば、SDGsでも重要なテーマとして掲げられているエネルギー政策等各種政策の検討や決定過程における市民参加やパートナーシップは形骸化しており、まだまだ日本社会における市民参加は実質的に機能しているとは言えないと思います。

●SDGs達成に向けて、今後日本ではどのような活動が期待されるでしょうか。

SDGsの検討過程及び策定後日本の政策に落とし込む際に、審議会等の行政主導の場だけにとどまらず、サステイナビリティCSOフォーラムのようなオープンな参加が確保されている場で議論を進めることが重要だと思います。またこのような国際的な動きは国内の地域レベルには十分に伝わっていませんが、実際の目標達成のために汗を流すのは地域レベルの取組が必要不可欠で、地域と国際をつなぐような活動が期待されると思います。



中島恵理氏中島恵理(なかじま えり)
平成7年環境庁入庁、英国留学等をへて、環境省にて地球温暖化対策、経済産業省で再生可能エネルギー推進政策等に関わる。平成19年から20年にかけて環境省環境教育推進室及び民間活動支援室にて地球環境パートナーシッププラザ等を通じた協働政策推進や環境教育法の改正に関わる。平成23年から長野県に出向し、地域レベルで協働による自然エネルギープラットフォーム立ち上げに従事。平成26年より現職。